モータブレーカーの役割と選び方
○モータブレーカーの役割
モータブレーカー(MB)とは、誘導モータの始動電流を許容しつつ、過電流からの保護をする選択遮断型の配線用遮断器です。モータの定格出力に応じてモータブレーカを選定すれば良く、取扱が簡便です。
モータブレーカの選択遮断は、始動電流の大きさの過電流は予め定められた時限内を許容して遮断せず、この時限を超えて継続する過電流を遮断するものです。この選択的な遮断により、過負荷による過電流からモータを保護します。
しかし、モータブレーカで保護できる範囲は、始動電流が定格電流の600%以内で、その期間が2秒から5秒以内となるなど、限定があります。
○モータブレーカの種類と選び方
モータブレーカーは、モータの定格電流で選び、モータブレーカの保護範囲を確認します。モータブレーカ毎に、始動電流の範囲と、始動電流の期間と、始動時の突入電流の範囲などが定められているので、その範囲内で運転できる場合に、そのモータブレーカを使用できます。
遮断器のカタログなどに、交流200V及び400Vの定格出力毎に、選定できるモータブレーカが特定されています。
○モータブレーカの保護範囲外の場合
始動特性や過電流の許容が特殊な場合には、モータブレーカの保護範囲外となるため、一般的な配線用遮断器で短絡電流から保護すると同時に、電磁開閉器のサーマルリレーなどによる過電流からの保護をする必要があります。