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 5. モータを過負荷・過電流から保護するには

モータと電路をブレーカーで保護することを説明しますモータブレーカーの役割と選び方を説明しますサーマルリレーでモータを過電流から保護することを説明します

モータと電路をブレーカーで保護する

○遮断機の役割
配線用遮断器(MCCB)は、モータなどの電気機器に過負荷や短絡が生じて、異常な過電流が流れたときに、電気機器と電線を保護する装置です。過電流は、配線の抵抗に応じたジュール熱を発生させ、電気機器・電線・電源の破損に繋がります。
遮断器の設置は、電気事業法に基づく省令の電気設備技術基準などに定められています。
なお、ノーフューズブレーカ(NFB)は、三菱電機の配線用遮断器を示す商品名です。

○遮断機の仕組み
遮断器は、予め定められた電流が、予め定められた時間流れた際に、電流を遮断します。選択遮断では、過電流の大きさに応じて、大きな過電流を瞬時に、中位の過電流を短時限後に、小さい過電流を長時限後に遮断します。遮断器による電流の遮断をトリップといいます。
遮断方式としては、過電流の発熱による金属の湾曲を利用したサーマル型と、過電流により電磁石を動かして切断する電磁式とがあります。時限は、電磁石を浸したオイルの粘性などにより調整されています。

○遮断機と誘導モータ
かご形三相誘導モータは、通常の電気機器と異なり、始動時に定格電流の5倍から7倍の始動電流が流れます。遮断器がこの始動電流で遮断してしまうと誘導モータは動作しません。このため誘導モータの過負荷による過電流からモータと電路を保護するには、始動電流より小さい過電流への対応が必要です。


モータブレーカーの役割と選び方

○モータブレーカーの役割
モータブレーカー(MB)とは、誘導モータの始動電流を許容しつつ、過電流からの保護をする選択遮断型の配線用遮断器です。モータの定格出力に応じてモータブレーカを選定すれば良く、取扱が簡便です。
モータブレーカの選択遮断は、始動電流の大きさの過電流は予め定められた時限内を許容して遮断せず、この時限を超えて継続する過電流を遮断するものです。この選択的な遮断により、過負荷による過電流からモータを保護します。
しかし、モータブレーカで保護できる範囲は、始動電流が定格電流の600%以内で、その期間が2秒から5秒以内となるなど、限定があります。

○モータブレーカの種類と選び方
モータブレーカーは、モータの定格電流で選び、モータブレーカの保護範囲を確認します。モータブレーカ毎に、始動電流の範囲と、始動電流の期間と、始動時の突入電流の範囲などが定められているので、その範囲内で運転できる場合に、そのモータブレーカを使用できます。
遮断器のカタログなどに、交流200V及び400Vの定格出力毎に、選定できるモータブレーカが特定されています。

○モータブレーカの保護範囲外の場合
始動特性や過電流の許容が特殊な場合には、モータブレーカの保護範囲外となるため、一般的な配線用遮断器で短絡電流から保護すると同時に、電磁開閉器サーマルリレーなどによる過電流からの保護をする必要があります。


サーマルリレーでモータを過電流から保護する

○サーマルリレー(熱動継電器)の役割
サーマルリレーとは、熱動による継電器です。サーマルリレーは、配電用遮断器では保護の難しい過負荷や欠相による過電流から、電動機及び電線を保護します。
過負荷は、モータが動かす対象に異常が発生して、最大トルクを超える負荷トルクがかかるような状態です。欠相は、三相交流のうち一相の電圧が断線などにより与えられず、電動機が正常に動作しなくなる状態です。この過負荷や欠相があると、過電流が生じ、発熱します。

○サーマルリレーの仕組み
サーマルリレーは、バイメタルとヒートエレメントを有しています。そして、過電流が生じると、ジュール熱でこのヒートエレメントが発熱します。この発熱によりバイメタルが湾曲し、過電流を遮断します。

○サーマルリレーの種類と選び方
サーマルリレーには、単体と、電磁開閉器(スイッチ)に一体化されたものとがあります。
過負荷保護用は2素子、欠相からも保護するタイプは3素子です。
サーマルリレーは、始動電流では遮断しないように、一定時間の過電流を許容します。この許容時間に応じて、遅動型と、速動型とがあります。
スターデルタ始動をする誘導モータの場合、スター結線でもデルタ結線でもサーマルリレーのみで確実に電源を遮断できる接続とすることが必要です。


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