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 6. モータの耐熱クラスと周囲温度について

モータの温度上昇を説明しますモータの耐熱クラスを説明します耐熱クラスと周囲温度の関係を説明します

モータの温度上昇について

○モータの使用限度と温度
モータが動作できる限度を定格といいます。定格は、メーカーが動作を保証している範囲です。モータの使用限度に大きく影響を与える要素は、モータの動作による温度上昇です。温度の上昇が、モータの使用限度に強く影響します。

○モータの温度上昇
モータが運転を始めると、電気エネルギーの一部は損失となり、機械的な損失に用いられたエネルギーは、温度上昇をもたらします。回転子の鉄心のみぞなどが、高温になります。
モータは、運転開始前は周囲と同一の温度です。運転を開始して、負荷がかかると発熱を始めます。連続運転型のモータでは、数時間後には発熱と放熱のバランスがとれて、一定温度(最終温度)となります。温度上昇の仕方は、当初急激に、徐々に最終温度に近づく指数関数で近似できます。

○温度上昇のモータへの影響
モータの温度上昇は、モータの構成要素へ影響します。例えば、モータ内の乾燥を促すなど、良い面もあります。
しかし、一定の耐熱温度を超えると、モータの絶縁物の劣化・破壊、焼損、回転子の回転を支える軸受の劣化などをもたらします。温度上昇の回数が多いと、モータの寿命を短くします。
使用限度を超える温度上昇は、効率の低下、断線による故障・短絡などをもたらします。このため、モータは、使用環境に応じた耐熱範囲が定められています。


モータの耐熱クラスについて

○時間定格の種類
モータの定格(Rating)には、時間定格があります。連続使用を前提に製造されたモータは連続定格(S1, continuous)を有します。
温度が上昇しきる前の短時間のみ使用できるモータは、短時間定格(S2)で、定格欄に分単位の使用可能時間が定められています。
回転と停止を繰り返す用途のモータは、反復定格(S3 %ED)で、一周期中に対する負荷時間の比率を15%EDなどと定められています。
標準モータは連続定格で、クレーン用など回転と停止の頻度が高いものは反復定格となっています。

○絶縁の耐熱クラス
連続使用や反復使用などの時間定格を前提として、モータの絶縁は耐熱クラスで分類されています。この耐熱クラスは、電気絶縁の耐熱クラス及び耐熱性評価というJIS規格で絶縁一般に定められているもので、旧JISでは絶縁種別と呼ばれていました。下記ローマ字がクラスを示し、次の数値が許容最高温度(摂氏)です。

A 105度, E 120度, B 130度, F 155度, H 180度

誘導モータは、クラスE, B, Fが標準で、F, Hは周囲温度が高いなど過酷環境用です。

○耐熱クラスと絶縁材料
絶縁材料として、クラスEはポリエステル系のエナメルやフィルムなど、クラスFはマイカ・ガラス繊維と耐熱接着剤などと、耐熱クラスごとに、使用する絶縁材料が定められています。


耐熱クラスと周囲温度の関係について

○温度上昇限度
温度上昇限度とは、耐熱クラスでの許容最高温度と、周辺温度と仮定する40度との差で、モータが許容できる上昇温度の限度です。実際の温度上昇限度の値には、温度測定上の誤差が加味されます。
例えば、クラスEの温度上昇限度は120−40=80度で、埋込温度計法の場合には温度上昇限度はそのままの80度です。抵抗値から推定する場合には、余裕をみて75度となっています。
周囲温度が40度を超える環境で使用する場合、温度上昇限度は、周囲温度と40度との差の分、小さくした値となります。
定格使用でモータを寿命まで使用するには、この温度上昇限度の範囲内での運転が必要です。

○許容最高温度
耐熱クラスの定める許容最高温度は、時間定格にあった正常運転時の目安となる温度です。メーカーは、モータの欠相時や過負荷時などの異常運転時に、一時的に許容できる温度を、別途定めています。


○モータの耐熱クラスの選び方
モータの使用環境の周辺温度が40度を超える場合や、モータの始動の頻度が高い場合には、耐熱クラスを高くします。
モータの使用環境が40度以内で、通常の連続使用の場合には、標準的なモータを使用できます。
なお、Fクラスは端子箱も高温になるため、配線用ケーブルや絶縁テープも耐熱性の高い物にします。


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