モータの耐熱クラスについて
○時間定格の種類
モータの定格(Rating)には、時間定格があります。連続使用を前提に製造されたモータは連続定格(S1, continuous)を有します。
温度が上昇しきる前の短時間のみ使用できるモータは、短時間定格(S2)で、定格欄に分単位の使用可能時間が定められています。
回転と停止を繰り返す用途のモータは、反復定格(S3 %ED)で、一周期中に対する負荷時間の比率を15%EDなどと定められています。
標準モータは連続定格で、クレーン用など回転と停止の頻度が高いものは反復定格となっています。
○絶縁の耐熱クラス
連続使用や反復使用などの時間定格を前提として、モータの絶縁は耐熱クラスで分類されています。この耐熱クラスは、電気絶縁の耐熱クラス及び耐熱性評価というJIS規格で絶縁一般に定められているもので、旧JISでは絶縁種別と呼ばれていました。下記ローマ字がクラスを示し、次の数値が許容最高温度(摂氏)です。
A 105度, E 120度, B 130度, F 155度, H 180度
誘導モータは、クラスE, B, Fが標準で、F, Hは周囲温度が高いなど過酷環境用です。
○耐熱クラスと絶縁材料
絶縁材料として、クラスEはポリエステル系のエナメルやフィルムなど、クラスFはマイカ・ガラス繊維と耐熱接着剤などと、耐熱クラスごとに、使用する絶縁材料が定められています。