電圧の実効値と定格電圧
○電圧と送電
電圧とは、2点間の電位の差であり、通常、電力の使用箇所に与えられる発電所による電位と、電位0との差です。電力のロスを小さくするために、発電所から変電所までは、三相で50万V(ボルト)などの超高電圧で送られています。
○低圧と高圧
大規模工場などでは、3,000V, 3,300V, 6,000V, 6,600Vの三相高圧電圧を使用します。中小規模の工場や事業所では、200V, 220V, 400V, 440Vの三相低圧電圧を使用します。これら三相の電力については、かご形や巻き線型の誘導モータが使用されています。
単相の低圧では、100V, 200Vの低電圧で、単相かご形の誘導モータが使用されています。
交流電圧の周波数は、50Hzと60Hzとがあります。
○交流電圧の実効値
交流電圧は、電流と同様、正弦波の最大値ではなく、瞬間値の2乗の平均値である実効値を使います。
また、三相の電圧には、各相ごとの電圧である相電圧と、スター型に接続した際の端子間の電圧である線間電圧とがあります。相電圧を√3倍すると線間電圧になります。
○定格電圧
誘導モータの定格電圧は、三相交流の線間電圧の実効値です。
モータの配電用のケーブルによって、電圧降下が生じてモータの特性を変化させてしまう可能性があります。太めのケーブルを使うと、電圧降下が小さくなります。